愛宕南なかじま歯科です。
今回は「健康寿命」と「平均寿命」についての考えてみたいと思います。
健康寿命とは「健康上の問題で日常生活が制限されることなく生活できる期間」と定義されます。
この概念がWHO(世界保健機関)により提唱されて以来、
寿命を延ばすだけでなくいかに健康に生活できる期間を伸ばすか、に関心が高まっています。
平均寿命と健康寿命の差は、日常生活に制限のある「健康ではない期間」を意味しますが、
2016年において、この差は男性8.84年、女性12.35年という報告があります。
<厚生労働省「第11回健康日本21(第二次)推進専門委員会資料」(平成30年3月)
人間は誰しも、加齢とともに心身の機能が低下し、健康で自立した生活が送れる状態から介護が必要な状態へと「老いの坂道」を下っていきます。
この坂道の中間には筋力や心身の活力が低下するフレイル(frailty=虚弱)と呼ばれる段階があり、要介護となる最たる要因となっています。
特に、身体的フレイルのひとつである筋肉の衰え(サルコペニア)は、フレイルを加速させる最大の要因と考えられています。
ではこのサルコペニアにより加速される全身の虚弱は回避できないのでしょうか?
ここでもうひとつ、オーラルフレイルという概念が登場します。
オーラルフレイルとは、よく噛んで食べる、飲み込むなどの口腔機能の低下を意味します。
オーラルフレイルは身体的フレイルや全身の筋力低下だけでなく、
将来的な要介護リスクや死亡リスクにまで関連するという衝撃的な結果が最新の研究により明らかにされました。
オーラルフレイルの診断項目ひとつひとつは、どれも些細なことではありますが、
それらの積み重なりにより口腔機能が低下し、食事が偏り、栄養バランスが乱れて低栄養状態から要介護状態に陥るリスクが倍増してしまうのです。
このコラムではじめに挙げた健康寿命を伸ばす、すなわち、健やかで自立した暮らしを長く保つには、
ささいな口のトラブルを見逃さず、早期の段階で口腔機能の回復と維持が重要であるといえます。
長くなりましたが、最後までお読みいただきありがとうございました。
このコラムが皆さまの口腔機能への関心につなげれば幸いです^^
愛宕南なかじま歯科
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